さようなら、俺の諭吉。

諭吉 ザ・ビッグマネー / Yukichi the big money


エピソード・オブ・諭吉
 正月生まれの私が子供の頃、毎年のお年玉と誕生日祝いのお金をまとめて頂いていた覚えがある。
漱石、稲造、諭吉の三名を財布に入れて、地元のおもちゃ屋さんや模型屋さん、ゲームショップに足を運んだ。
ちなみに、独特な建物の形状で有名な玩具チェーン店「おもちゃのハローマック」が健在な時代である。
財布に入れた三名の中でも、漱石と稲造もいいが、諭吉だけは格別だ。
諭吉を眺めた時のワクワク感は、他の二名とは明らかに違う。
(皇室を除き)この40年間で日本国民に最も愛された男は諭吉であると、私は思う。
毎月のお小遣いを節約して貯金したとしても、欲望の塊である私はそもそも貯金が出来ないので、諭吉には絶対にお目にかかれない。
諭吉との面会が許されるのは、正月とか誕生日とか進級進学とか、そういう特別な日だけである。


 時は流れ、いわゆる社会人になった私は、毎月何十人かの諭吉をお迎えしているし、同時に毎月何十人かの諭吉をお送りしている。
でも、なぜだろう。子供の頃は諭吉と出会う度にワクワクしたのに、今は何も感じない。
銀行口座はインターネットバンキングとなり、お買い物も通販のインターネット決済がほとんど。
コンビニで買い物をするのもキャッシュレス決済があたりまえになった。
私はただ、数字の増減を眺めているだけ。
諭吉と出会えた時の感動、“俺の諭吉”はそこにはいない。

令和六年-2024年7月3日。とうとう諭吉との本当のお別れの日が来た。
あ、いや、漱石と稲造とは20年前に既にお別れしていることを全く忘れていた。
漱石と稲造、なんかごめん。
さようなら、俺の諭吉。思い出をありがとう。
私は諭吉への敬愛の念を込め、40年間すべての日本人の生活を豊かにしたという事実を、
ヨーヨーという形で後世に残すべく、「諭吉 ザ・ビッグマネー」をリリースいたします。


なぜ諭吉のヨーヨーを作るのか
 毎度お馴染み、ヨーヨー力学第一人者・すっすーさん(薄野氏)に設計を依頼しました。
また肖像ロゴを受注しているイラストレーター様が見当たらず、困った時のアトリエ海百合に肖像部分を依頼しました。

 2024年7月3日より日本銀行の紙幣が一新され、1984年に始まった福沢諭吉(福澤諭吉)が描かれた一万円紙幣は発行終了します。
昭和~平成~令和の40年間にわたり、日本経済の象徴的存在となった福沢諭吉。
経済成長の停滞は「失われた30年」などと呼ばれますが、それでも私たち日本人は、
インフラ整備され社会保障制度の充実した豊かな生活を送っていると思います。
その豊かな生活を下支えしているのは、一つは日本円という自国通貨の強さであり、
その概念が可視化されたものが福沢諭吉の一万円紙幣です。という意味を込めて、

「He enriched the lives of all Japanese people.」(彼はすべての日本人の生活を豊かにした。)

と刻印しました。Google翻訳なので文法間違っていても大目に見てくださいね。
キャッシュレス決済が普及しつつある現在でも、私たち一般庶民は、
お金を稼いだりお金を使う時に福沢諭吉が何人分かを無意識に数えてしまいます。(※セレブは諭吉の人数を数えません。)
新卒の初任給が「諭吉20人ぐらい」のところ、仕事を頑張ってスキルアップする度に諭吉の人数が増えていく。
バイメタルを買う時は「諭吉2人」、チタンを買う時は「諭吉5人」、
ヨーヨージャムのクソレアヨーヨーを落札したら「諭吉100人」
だとか、常に諭吉を頭に浮かべてポチります。
そんな“俺の諭吉”“俺たちの諭吉”との最後のお別れに「諭吉 ザ・ビッグマネー」をリリースします。

 諭吉の大きな肖像ロゴを刻印するにあたりベースとなったのはRY-007 YUKIKOのフェイス部です。
諭吉 ザ・ビッグマネーのフェイス部も、YUKIKOのフェイス部と同じR(カーブの具合)で設計されています。


しかしYUKIKOのフェイス部はPOMカウルと組み合わせた2ピース中空構造を前提にしているため、
フェイス形状を維持したままモノメタルにするにはどうすればいいのか?
と考えた結果、カウルを外した状態から肉厚を増していき、オーソドックスなHプロファイル形状に落ち着きました。
重量は約62gで、サイズDベアリング機種なら大体いつもこれぐらいの重量でデザインしています。
ただ実重量に対して、ずっしり目のフィーリングになっているかと思います。
これはYUKIKOのフェイス形状による重量配分が、回転を傾きにくくする効果と同様のものと思います。
軸回りはチョコミントは歯みがき粉ではない。を引き継いでいます。
(M3.5ボースヘックスアクセルについてはチョコミントは歯みがき粉ではない。のページを参照してください。)


仕様・スペック
直径:約55mm
重量:約62g
全幅:約44mm 有効幅:約42mm
形状:Hプロファイル
ボディー素材:A6061
ベアリング:CP-06 D9ボールベアリング
レスポンス:CP-09 ブレードアタックパッド(エコノミー)
アクセル:CP-15 M3.5 ボースヘックスアクセル

発売日:2024年7月3日
希望小売価格:¥10,000


取扱方法・免責事項
ベアリングはCP-06 D9ボールベアリングです。交換は自己責任にてお願いいたします。
レスポンスパッドはCP-09 ブレードアタックパッド(エコノミー)です。
アクセルはCP-15 M3.5ボースヘックスアクセルです。市販のM3用六角レンチで取り外すことができます。
製造・組立・出荷の過程で小さな傷、汚れ、色ムラ、加工跡等が発生する場合がありますが、製品仕様となります。


関連情報

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